歓喜力行団はただのレジャー・娯楽組織ではない。歓喜力行団の究極の目的は、余暇活動を上流階級から下流階級まであらゆる大衆に格差なく提供し、
階級ごとに分断されたドイツ人を
階級対立のないひとつの「民族共同体」にまとめる橋渡しをすることであった。また「生の喜び」を肯定する余暇、スポーツ、演奏会、祭典などの機会を国民に提供することで、ナチスの理想とする力強さや美しさといった共同体の理念や存在を大衆に全身で理解させ信じさせようというものだった。
歓喜力行団は労働者向けに、「歓喜力行団の車」を購入するための特別貯蓄制度を設けた。これは一般大衆でも車を買えるようにした積立制度で、
自家用車に乗りたいなら、毎週5マルク貯めよう(F?nf Mark die Woche musst Du sparen, willst Du im eigenen Wagen fahren)のスローガンの下に33万6,000人ほどが積立金の支払を行った。しかし、翌年の
第二次世界大戦の開戦により実際に納車されることはほとんどなかった。自動車工場も戦争遂行のために軍用車生産へと回された。大戦後、新たに創業したフォルクスワーゲン社は積立金を支払った人々に応えて、歓喜力行団が実行し得なかった納車を行っている。