デビュー当初は少年少女を主役にしたギャグやラブコメをメインとした明るいタッチであったが、柳沢の代表作『翔んだカップル』を機に暗さも併せ持つストーリー調に変化していった。特に『翔んだカップル』は、初期はラブコメ調だったのが、中盤以降は暗さを増していく。終盤の暗さと重さは、柳沢の全作品でも際立ったものである。
それ以降の作品はやや異なり、柳沢本来の持ち味であるぐいぐいと引き込まれるストーリー展開で、再び連載本数が増え始めた。一時期は10誌近くの連載を持ち、その凄さは
喜国雅彦の『
傷だらけの天使たち』でもネタになったほどである。柳沢の絵はややラフなタッチであるが、それを補って余りあるストーリー構成があるからこそ連載を多く持てたと言えよう。デビュー当時は少年誌で活躍していたが、『翔んだカップル』後、青年誌・総合(活字主体の)週刊誌と活動の場を増やし、それにつれて作品ごとの内容も多様化、会社の裏事情を扱ったりとアダルト色を強めた作品も発表されるようになった。『特命係長・只野仁』はその典型的な作品でありドラマ化もされているが(同項参照)、原作においては作者本人の社会観や人生論が滲み出ている箇所も多い。
ラストが尻切れトンボで終わるケースがままある。短期打ち切り作品だけでなく、長期連載した作品にも例があり、近年の柳沢の代表作となった『特命係長・只野仁』も、突然終了した。同時に連載が再開されるケースも多く、『特命係長・只野仁』の他にも『大市民』や『夜に蠢く』も一度終了してから、しばらくして連載が再開している。