文法は典型的な現代
白話文の著作で使われている文法を標準としている。ここでいう「現代」とは
五四運動(
1919年)以降のことをいう。白話とは
唐代に生まれ、
宋元明清を通じて確立されてきた口語に接近した
書き言葉のことをいう。白話によって書かれた文学は白話文学といわれる。これに対立する古典的な書き言葉は
文言と呼ばれる。近代中国の
新文化運動時代になると、言文一致を目指し、文言文を廃して白話文を採用するという
白話文運動が展開され、新しい白話文の形が模索された。こうして確立された現代白話文の文法規則が普通話の標準文法として採用されている。
中国の歴史のなかでも古くから政治的に何らかの
共通語が設けられていたと考えられている。
春秋時代、『
論語』には
孔子が『
詩経』や『
書経』を読んだり、儀礼を行う際に「雅言」を使ったと書かれており、これは統治階層が使っていた共通語ではないかと考えられている。
漢代、
揚雄が
方言語彙を記録した書物『
方言』には、「通語」という言葉が現れている。異民族に支配された
元代には「天下通語」と呼ばれる共通語があったとされる。
明・
清時代には
官話と呼ばれる
官吏たちの使う共通語があったことが知られており、明末に訪れた
宣教師は官吏(マンダリン)の言語と呼んだ。明代から清初にかけては
南京音を標準音とした
南京官話であったと考えられており、
満洲民族によって支配された清代になると徐々に首都
北京の音を基準とした
北京官話が有力になっていった。
中華民国となり、
新文化運動の時代には言文一致運動にあたる
白話文運動が起こり、それまで古典に対する教養を前提とした統治階層の
書き言葉である
文言文を廃止し、一般民衆が話す言葉に根付いた
書き言葉である
白話文を使うことが提唱された。そして、
1926年には
国語運動が展開され、漢民族の共通語を「国語」と呼ぶことが決定され、北京語音が国音として採用された。